ポエム
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神様と戦っても、悪魔に魂を売ったとしても


  

いまはもう見る影もなく、
灰色の瞳で寂しげに、
ガラス細工のように空を見ているね。

ビルに落ちる夕日は、
止まってしまったあなたのよう、

夜が来るね。

《あんたのためなら、
この街だって壊してやる》

アメリカのアニメの悪役みたいに
ニヒルな悪者笑いを決めてくれた。
バカみたいだけど、信じていた。

それであなたが
ただじゃすまないって知っていながら。

夜が明ければ、今朝が来たように、
ふたりは明日を待っているのだと。

夜はもう凍てついた星々を
油をさし忘れた
歯車でギィギィと回しているが、
もはや古びていたんだ糸が切れて、
星が堕ちることもある。

《諦めた糸だけが千切れたか》

《あたい達は諦めないよね》

けれどたとえ
街を破壊するパワーを持ったあなたでも
世界に刃向いつづけては、
明日がやって来ない夜。


いつしかこの街で、
まじめに働く人たちを見上げ、
地べたを這いずり回り、泥の水をすする。

おびえていく脳とからだ、
死ぬことが怖くてしようがなくなる夜。

《こんなはずじゃなかった》と、
その言葉だけ絶対に飲み込み、

《昔の自分を忘れてもいいが》
《昔の自分の否定だけはしない》

輝くこと、諦めた星から、
流星となって地上に堕ちること、
知っていても守れない時があった。

《あんたは、今何を見上げている》
《あたいには、夜空を見上げても何も見えなくなっちまった》

それならあたしの目を見てごらん?
瞳の中に今、
あたしが見ている星達が見えないかい?

それはあなたがかつて見せてくれたんだよ、

覚えてない?


アンタノタメナラ、
コノマチダッテ、コワシテヤル。


あけない夜のないことを
今夜あなたにおしえてあげるね、

あけない夜がないように
あなたの夜もあけるから
かならずあたしがあけさせるから、
神様と戦ってだって。
悪魔に魂を売ってだって。

あしたにくさびを打ち込んで
あなたを片手で抱きかかえ
はいあがっていってやる。

時に追いすがり、

そして追い越して。







23/06/24 01:18更新 / 花澤悠



談話室



■作者メッセージ
中2の頃に書いた詩です、無論うそです。でも、厨二病満開です。でも昔の詩なのは本当で、今想っているのは、人はなぜ、人を疑ったりそれによって傷ついたり傷つけたりするのでしょうねぇ。

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