ポエム
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ぎゅって





「いまは寂しい色をして
小さな声で泣いている」

もっと自分を
甘やかしてあげればよかったのに

あのときあなたが優しく心を
包み込んで抱きしめてくれなかったら
きっと冷たいピエロのままだった
誰も笑わない 誰も愛さない

風を切って歩いている姿は凛として
みんなあなたのこと憧れていたよ

でもいつだってカッコよくなくてもいいよ
強くあり続ける必要なんてないよ
私にだけは泣いているところを見せてよ
なぜってあの草原で泣き喚き、
あなたに抱きしめられなければ
二度と太陽を見上げられなかった
それどころか、
あの時以来、
私は自分よりもあなたのことが好きだから

今度は私がやってあげる
あなたの横に座り、背中に手を回して

ぎゅって、

持ってる全ての覚悟で

ぎゅって、

優しく優しく抱きしめてあげる

温かい涙が伝うほおは
ほんのり桜色、決して私を見ようとせず
小さく微笑んでいるのが、
これが私の一番大事な宝物

「いまは見えない色をして
小さな声で泣いている」






23/06/23 08:08更新 / 花澤悠



談話室



■作者メッセージ
過去詩です。今となっては、書けないような。ちょっと手直ししてます。

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