6月に雪なんて降らない
この国では

でもどうなんだろう
あの
はるか遠くの
北の国では
降ったこともあったのかもしれないね

6月に雪なんて降らない
この国では

ただ
雨が降る
振りつづける

流れてゆく川を
橋の上から眺めながら
この国の川は
なんて汚れているのだろうと
想うこともある
雨がそれを流し尽くして
くれれば良いのに

でもそうすると
その汚れは
あの
清く美しい大海原へ
流れつく

答えなんて出ないな
なんて
平気で嘘をつく

川を汚す悲しみが
無くなってしまえばいいだけ
だよね？

その悲しみは
ひとなのかも
しれないから
平気で嘘をつく

6月には雪なんて降らない
のは
ほんとうに
ホントなのか
じつは嘘なのか知らないけれど

私の心にそのとき積もったのは
流れてゆく雨ではなく
けっこう重い
雪の悲しみだったり
したんだよ