うどん屋
丸亀製麺でうどんをすする
君のことを
たとえばその唇を
じっとみつめるなんて
お互い
恥ずかしすぎるだろ
たとえば世界の終わりが
あのあと
待っているなら
まだしもさ
彼女のメガネを
理知的だと想ったのは
ずいぶんと昔だな
いまは裸の瞳を
識っているからね
終わるのは夜の世界から
日常の幸せににじむ灰色の不安
死
が
怖いのか
彼女との終わり
が
怖いのか
あの日食べた
丸亀製麺のうどん
彼女の姿はほんとうによく憶えているが
じぶんがなにを食べたのか
まるで想いだせないのは
なぜだろ