ポエム
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寂しさの向こう側

  

寂しさが、
海になっている。

そこでは泳げないはずの私が

のほほんと
星をみあげている、

ぷかぷかと
月をみあげている、

心に入り込んだ寂しさは
夜の静けさに掬われて
ただの砂上の城が崩れるみたいに、
寂しさの海へと流れだしてくれている。


ええ、
夢の中での
出来事です。


それが夢だと識りながら私は
その、
心がひび割れるほどの孤独さと
ちゃんと、
向き合う勇気だけは持っておこうと
軽く、
想っているのでした。


そんな夢をみた夜は
むろん、
泣いてなんかやらない
ただ、
生きることの素晴らしさを
探しに昔へ旅をする、


夜は、

まだ浅い


昔、
君と溶け合った罪深い幸福に
潜り込んで、
そして、
寂しさの海を抜き手を切って
泳ぎはじめる夢を抱きしめて
だんだんだんだん
寂しさの向こう側へ
きっと射す朝日の赤へ向かって
泳ぎつづける

夢を
みる

ホントは、
泳げないんだけどね







23/06/09 03:17更新 / 花澤悠



談話室



■作者メッセージ
ね、寝ろよ。何時だと想ってんだ。

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