夜よりも残酷な三日月
東の空から明るくなるんだ
それは識ってるよ
けれどもこの息苦しいワンルームには
東も西も関係ないんだ
まぁ、
朝になれば
雀の鳴き声がして
カーテンを無視するように
この部屋に入ってくるあかり
それで一日は始まるけれども
昨日は、久しぶりの、大雨だった
夜どおし、降っていた?
薄い眠りに騙されて
雨音を聴いてた記憶はないんだ
スマホのせいだな、
イヤホンのせいだな、
懸命に咲こうとした花も
たとえば散ったかもしれない雨に
気づいてあげられなかった私は
まるで私のなりたくなかった
夜よりも残酷な三日月みたいだな