去水
夜よりも
悲しい嘘があるのなら
スマホを手に取りググれもしないさ
忘れない
夜空の底に視える灯が
心を洗った白鳥の里
死にたいと
なんど想ったことだろう
心も凍るくらいの絶望
死にたいと
想ったことだけまだないな
空は高いし未来は明るい
いきたいと
ただひたむきに汗流し
熱風切り裂き走り切る日々
やましさを
引きずり生きている夜は
知らないふりして顔上げ歩く
ただ静か
まるで無音の部屋に居て
時計の音だけ数える休日
夜よりも
真摯な罪があるのなら
スマホにすがる弱さに泣き出す
23/05/27 12:07更新 / 花澤悠