くらいんぐ、悲しみのピエロ
午前2時の、海鳴り
年も明けてひと月のうち
それでもなんとか、依って立っていた
よりしろが、なくなる
誰もいない、海岸線を、歩く
もはや、救いもない、重い湿っぽさを
この肌に感じたまま
すっかり忘れてしまった、勇気なんて、愛なんて
アンパンマンに、憧れた
幸せになるために
愛と勇気だけを友として
戦う、姿勢、正義の味方としてではなく
なにかに、すがる
細い糸が
彼の場合、愛と勇気だけ、だったのか
それだけは、棄てなかったのか
私は、もはや、すべてを、手放した
すえの、弱い、ひと
みにくくならないようにだけ
気をつけて、2時をゆく、ピエロの顔した