ポエム
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詩人たちに捧げるブルースのうた

  

わずか一杯の水を飲むために

懸命に生きなくてはいけない
ひとたちがいると聴く

ミノマワリニハ、イナイ

流れる音楽にその身を委ねて

生きるための最後の快楽を
求めたのがブルースだと聴く

イマモドコカデ、ウタワレテイルダロウ



ひとはひとりっきりで
産まれられないけれど
ひとりでしか死ねないという
永遠不変の真実
たとえば心中にしたって
ふたりはべつべつに死んでゆくだけ

ただひとことだけ
強がりを云っていいのなら


僕は君と
えいえんの愛を
築けるのだと信じている

どこに、
根拠があるのかなんて知らないし
なにが、
こんなに僕を高揚させるのかだけを
知っている

おなじアニメみて
おそろいの服着て
プライバシーなんてどこ吹く風と
ふたり溶け合うようにひとつになって

《ぜったい》に正しいことなんて
この世界にはないんだけれど
それは
ただの事実だろうけど

《ぜったい》よりも
正しい愛がこの世界にはあるって
光り輝く《真実》も
どこかにはあるって

ねぇ、
僕たちは
知っている。

価値観の違いだとか
昔の恋の話だとか
そんなもの
いっさい関係なく
たとえば真夜中とつぜん飛び起きて
『好きだァ〜ッ!』って
叫び出したりするくらいの

愛、

って
僕たちふたりだけしか
知らないことみたいだよ?

そして、けれど、世界は
ふたりきりで
生きてんじゃないから

きっとイマモ吸ってる
この空気のなかにも
哀しいくらいの
詩やうたが
とけこんでいるんだよ

僕たちは
それをできるだけ
みんなに嫌がられないように
伝えなければ
いけないんだね、

そのために
息させてもらっているんだね、



わずか一杯の水を飲むために

懸命に生きなくてはいけない
ひとたちがいると聴く

ミノマワリニハ、イナイ


流れ落ちる涙の音にその身を委ねて

生き延びるための最高の快楽を
求めたのがブルースだと聴く

イマモドコカデ、ウタワレテイルダロウ











22/11/23 07:03更新 / 花澤悠



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