ポエム
[TOP]
早朝の歌



黄色や赤の葉をまとった樹々が

早朝の靄の中から現れてきて

落ち葉を踏みしめながら私は

いつのまにか心が濡れているのに気づく

心の中の落ち葉たちが

土にしがみつくように濡れている


白い靄たちもそろそろ天に昇るころ

東の空には暖かい朝日が昇ってくるから


木々の枝を縫うようにきらめく

陽光が賑やかにキラキラと歌い始める

ただひたすらに早朝の歌を

鳥たちの鳴き声をバックコーラスに

この樹々を眠りから覚ますために


この樹々たちをくぐり抜けながら私は

かつてみたことのある渓谷へ向かう











22/11/22 04:56更新 / 花澤悠



談話室



TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c