愛をみつめる
遥かかなたの想像の
終末なんて知らないし
悲しみなんてだれもみな
胸にいだいて生きている
サマルカンドの空に星
幸せいろの風が吹く
よる旅をする静けさの
なかにとどまる軽い罪
生きてゆくのは南天の
もとをさまよう蛇に似て
力尽きたら月光の
したで眠りにつくだろう
悲しみかかえたまま眠る
寂しいよるを知るだろう
ホントのよるを過ごすとき
あらがう気持ちを想うとき
寝顔にそっと触れてくる
そのあたたかさに目を覚ます
ここまで遠くに来たことを
それでも後悔しないよる
すべてをかつて失った
とどまる世界を失った
だれに逢うため生まれたか
だれに逢うため生きてきた
サマルカンドの青い空
幸せいろの風が吹く
旅する人の心には
愛をみつめるあたたかさ