ポエム
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永遠の嘘ばかりつく悲しみ


とおりすぎていった
幸せを想いかえして
その美しいときに嘘はなかったと

ときがただしずかに
過ぎていっただけなんだと


抛り棄てられた
虹の夢の残骸が転がる
廃墟をさまよいながら
ただじぶんを騙して生きている

だれか、
あたしの声は聴こえないという
真っ赤な嘘を
ついてくれはしないだろうか?
だれか、
あたしの気持ちはわからないという
蒼ざめた嘘を
ついてくれはしないだろうか?



更けゆく夜に
飛翔する白い肌の天使のまぼろしが
あたしを苦しめる

けして届かないほど
遥か遠くにみえる
のどかで
幸せで
やすらかなときを

ふたりだけでクスクス笑っている
泣きたくなるくらいの
永遠のはるか遠くの幻影

だれにも
聴こえていないという
この、
孤りの悲しみの病いに冒された
永遠の嘘を

あってはならない
真実の世界の廃墟が
夢みたいにやさしいという嘘を

だれもが憧れる
麗しい白い天使の翼持つものたちが
あどけなく微笑む世界、
永遠の嘘の向こう側に棲むという

だれにだけは、
聴こえているという?








22/10/06 04:05更新 / 花澤悠



談話室



■作者メッセージ
って。まだ起きてるんかいッ!いや、流石にもう寝ます。おやすみなさい。

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