ただ寂しげな顔が美しかったのです
ただの恋歌だから
その拙さを馬鹿にした
流行りの歌の歌詞みたいな
涙とかさみしいとか忘れられないとか
黄昏とか天使とか神さまとか
好きとかキライとか憎みたいとか夜とか
黒い心とか甘いキスとかふざけた過去とか
宵闇みたいな声でささやくとか
宵闇みたいな声を聴いた夜を憶えています
梯子は怖がることに決めたのです
鮮やかに決めたのです
恋歌に
小さな喜びを感じています
困りながらも爽快に
走ってる感じが好きです
心の穴を埋める
あたたかさや優しさもあるのですね
恋歌の中には
馬鹿にしなければ良かったのですね
ただ寂しげな顔が美しかったのです