花火みたい
広島で泣いたのは
なにを目にしたからだったろう
想い出すこともできず
ただそれが早朝だったことだけは
憶えている
街を洗う波のような暖かい朝日の中で
笑いながら泣いたのは
しあわせだったのかもしれないけどね
私の夜を返して欲しくて
泣いた訳ではないみたいだから
私は私を許すと想う
それでも胸は痛んだりするんだ
あなたの中に入り込みたいの
それだけできれば
消えて無くなってもいいけど
そのあとはあなたが泣く番かもしれないよ
いつも黒い瞳の色が真っ赤に燃えたのが
まるで小さな花火みたいにみえたんだ