ポエム
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夜に流れる歌のともしび

夜の街の灯が
ちいさな歌がにじむように灯ります

喜んでかけ寄る子犬の
ちいさな温かい頭を撫でてみます
ハーモニカを吹く少年の長い影を
裏町のちいさな公園のシーソーでみかけました
その少年の痩せっぽっちの身体には、
やさしい夢を見ているのかと感じられる
あたたかい風が吹きました
だれも憎まない
そう誓ったのはサラサラと流れる青い光が
古びたシーソーを照らし上げる光景をみたからです

そしてあの歌が流れるのでしょう
その傷ついた心にぶちまけられた
白い砂糖のような血を恨まず
初恋みたいな甘ったるい匂いの勘違いが
ゆったりと街中に流れ始めることでしょう

歌は朝まで流れ続けることでしょう
そして

朝焼けに染まる雲に
美しい破滅の訪れを予感しても
だれもその警鐘には耳をかさずに
心まで奪われた幽霊の正体を求めて
おのおのが信じた道を歩くのでしょう?

それは美しい顔の幽霊なのでしょうか?

そしてその幽霊に出会えていない
私だけが行く道をみつけられないままなのでしょうか?





19/04/25 04:55更新 / 花澤悠



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