ポエム
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黄昏色の時代の



ちいさな橋の上で
星月夜をみあげる
おおきなまん丸の新月が
みえないくせにそこにはあるんだ

下の小川には
昼間はちいさな魚たちがいきかう
いまはすこし引き込まれそうな
無音の暗闇の夜がみえる

自転車が土手を走っている
無灯火だから危ないよ
遠くて声も届かないだろう
乗っていたのはだれだろう

流されているのは
過去の想い出たちの断片かもしれない
恋に溺れた夏の終わりの一枚の写真
心を濡らす微笑みの飛沫

哀しげなラッパの音が聴こえてくるけど
きっと懐かしい黄昏色の時代の
あれは幻聴なのだろうと想うよ
暗闇の底の小川が薄っすらと流れている








22/09/20 21:54更新 / 花澤悠



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