秋風
蝉の亡骸がやたら目につく
日射しはそれでも正しい熱で刺す
吹く風をすこしやさしいというのなら
たまゆら、秋に忘れられた風鈴を想う
夜の甘い波がベッドの上に訪れ
たぶん屋根の上で満月、煌々と輝く
ありえないことは何度も何度も繰り返し
背骨が抜き取られるほどの愛撫も
僕に一枚でいいので夢をくださいね
罪はよろめいてしまった狂気の足どり
いい人だなんてそんなに目指さない瞳
綺麗な髪もばっさり切ったよ罰としてね
秋風涼しくまるで疚しさを洗う、血も洗う
なんでも棄てられるからなにも欲しくないや
血を吐くほどの嘘をつく
君の綺麗な声でスキって言われたい
あとで君と上手く、手を繋ぎたい、かな
そのあとは、もう、秋の空から風も吹く