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愛の毛糸の噛みごこち


ふりかえって
大好きな
愛の家が
ひとめ
みたいな
その家のうえで
三日月が
夜空の
お掃除してくれてる
きちんとした
姿も
みたいな

星は
いつのまにか
ひとつ
ふたつと
いなくなり
春になって
世界は
いつまでも
タイムカプセルを
埋めつづけるだろう
去年のぶん
今年のぶん
ほどほどに
懐かしい
愛の
毛糸で
あやとりを
したむかし

まるで
土の
なかにいるみたい

地底には
長い首の
女の子みたいな
小さな
竜が
住んでいるとも
聴く

消えた
伝説だけど
失敗しない
こころをもちそなえて
可愛い笑いごえを
コロコロと
ころがすらしい

秘密のさじ加減で
みえない真実を
みたと云い張る大ボラ吹き
だとも
いうね

もう
なにも信じられないや
信じられない愛を
それでもやっぱり
なんてことないんだって
信じているんだ

あの
赤くひかり輝く
愛の毛糸の
噛みごこちを
知らないだろう?

だから
愛するひとのことを
ちゃんと
美しいと
言えないのは
そういうわけかも
しれないね

それが
足りないのかも
しれない







22/06/16 20:34更新 / 花澤悠



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