雨に詩うし
褒めてあげた
あたたかい爪が心臓を
突き刺す日
冬を待つはずの部屋が
真っ赤にあの血のように
愛が染まったベッドに
燃えさかる
貴女への愛の傷と希望の棘が
要は昨夜の雨が止まない
片頬で
くちびるつりあげ闇の笑み
光を棄てても
愛されたいままだと勘違いしていた
おんな泣くな
帰してくれたのだから
奪われたものは
知らないと思い
深海のあなたに触れた
冷たく死んでいる
あなたが魚にみえた夜まで
あなたを食べてみたかったのに
そんなもの何処にもなかった
良い別れ
それを卑怯と決めつけて
そういう卑怯に目もくれず
あたたかい雨を
浴びて濡れているこんな今夜
からだは健やかな詩をうたうし
こころは煉獄に絶望の吹き曝し