ポエム
[TOP]
雨に詩うし


褒めてあげた
あたたかい爪が心臓を
突き刺す日
冬を待つはずの部屋が
真っ赤にあの血のように
愛が染まったベッドに
燃えさかる
貴女への愛の傷と希望の棘が

要は昨夜の雨が止まない


片頬で
くちびるつりあげ闇の笑み
光を棄てても
愛されたいままだと勘違いしていた
おんな泣くな
帰してくれたのだから
奪われたものは
知らないと思い
深海のあなたに触れた
冷たく死んでいる
あなたが魚にみえた夜まで
あなたを食べてみたかったのに

そんなもの何処にもなかった
良い別れ
それを卑怯と決めつけて
そういう卑怯に目もくれず
あたたかい雨を
浴びて濡れているこんな今夜
からだは健やかな詩をうたうし
こころは煉獄に絶望の吹き曝し



20/02/06 22:12更新 / 花澤悠



談話室



TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c