青の太陽の光の世界
その名前を聴いたのは
あたしがもういいやと思ったとき
ちょうど
あの遠い初夏の白いちいさな花が
ふらふらと揺れていた昼さがり
あざやかな夢の中で
きれいな悲しみが風に吹かれていた
それなのに泣くのをこらえたのは
たかくたかく青空に舞う天使のような鳥
煌めきはその瞳からこぼれる涙か
君はなんて美しいんだろう
やさしい黄泉の道では
そのうち忘れ果ててしまう
君が歌っている地上を祈る明るい歌
その名前をつけたのは
あたしがいいやもういちど生きたいと
まるで
不純の一切を拒むむかしの潔い君の唇
を想い出し
峻烈なナイフみたいに生きたいと願ったとき
それは君の胸の冷たい炎にすがって
泣いてしまった遠い初夏に呼んだ罪の名前