花の永遠
好きな小さな白い花の香り
写真じゃわからないよね
それなのにそれが
なぜかその花が香る
それはまぼろしじゃなく
まるで透明な約束をした夜みたいな
つうじ合えてる一夜
その花の香る部屋に
君の声が聴こえたんだ
その花が
その小さく可憐な花びらに受けた
どんなささやかな傷にも
やさしさゆえの
目にはみえない痛みがあるという
泣かずに耐えて
うつむいている
白い花が、大好きなんだ
そして
けっして触れられない
宝石に憧れる《君》が好きだ
宝石
そんな
人間でなく
動物でなく
生物でさえない
存在としての美しさに
けっして怒らない
けっして泣かない
けっして笑わない
そんな静けさとしての美しさに
ただひたすらに
美しさに
憧れる気持ちを。
愛なら愛と名づけて、愛する。
そしてこの決して砕けない鎧みたいな嘘を
つきとおすから
満月をみあげ
透きとおる孤独さを込めた
哀しい《君》の遠吠えが耳から離れない
その遠吠えは狼のものだと嘘をついてほしい
そして嘘でも愛はほんものだと認めてほしい
そしてそんなやさしさに甘えている
僕のことを
かんがえて、ほしい
かんがえたあとで、僕を、あゝ、
愛してほしい
温めてほしい
僕と、
からみあって、ほしい
ただそれだけが
僕が生きてゆける理由なんだと
理解して僕を離さないでいてほしい
ずっと
ずっと
それが、
永遠