ポエム
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星の海の愛


星が動かない
ようにみえたから
嘘だろ、とおもったのは
その星の海にたゆたう聖性が
とてもとても
大好きだったからだ

満天の
星の海をみあげ
星の波間に揺れる
銀色に輝く歌声を聴くのが

とてもとてもとても
大好きなひとときだったんだ

またたいている
デネブ
きらめいている
ベガ
ちょっとだけ騒がしい
アルタイル

いつまでも
眺めていると
いつのまにか
愛の形に
変わったんだ

いちばん守りたいのは
その
やすっぽい奇跡みたいな
愛のトライアングル

そして夜は待っても待たずにいても
いつでも必ず明けるものだから
夜の街はその深淵な海底を
ゆっくりとあたらしい白い聖性に
もろくも満たされてゆくのだ
銀色の歌声が
しだいに小さくなってゆくなかで

それでも
その大三角は最後まで
きっぱりと
じぶんの在り方を守り
くっきりと
その一瞬に存在をきざみ
あっさりと
朝の静かな赤にのみこまれる

いつのまにか
星が動いていて
きのう泣いていただれかさんにも
あたらしい一日を
差し出してくれるから
さぁ、そんな泣きながらの笑顔は
もう、過去のものにすればいいんだ

そして朝焼けの海から
こんどは少しだけけたたましい
進軍の行進曲が
けっこうはちゃめちゃな元気いっぱいで
轟いてくるのを
聴くんだ

しょうこりもなく
(もう、イヤだ、って言っても)
日々はやって来るものだから
しょうこりもなく
(ただ、生きてゆくため、だけに)
歌いつづける甘い
歌声も必要なのかもしれないだろ?

心をどこにも動かさずに
とどめておくことが
とぉ〜っても、大切なのは
そういうわけかも
しれないからね。










22/05/21 08:06更新 / 花澤悠



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