ポエム
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小さな笑顔をみている夜に

信号を送っていた
それは届いていると信じ込み
青空の下に、僕たちは
なにひとつ、だれに恥じることのない
笑顔でいられるようにと
笑顔でいられるようにと

でも 君はそっぽを向いて冷たげで
そんな、君がなにを想っているのか
それもわからないままに
笑いかけてみた
春だからそれも許されるかなと

好きですと、口に出して言えなくて
何度も何度も、笑いかけてみたんだ
その黒目がちな目が潤み、そして
涙のこぼれるほおはピンクに染まり

まるで子どもみたい、
涙を横ぬぐいでぬぐい
少し頼りなさげな瞳で
僕を見返し、照れたように微笑んで
くれているとき、たぶん僕は
とても不安そうな、困った横顔で
うつむいてしまっていた

なにも、言えないまま。


好きですと
言葉で言えなかったその夜に
クラス写真の小さな君の笑顔をみていた










22/04/19 23:51更新 / 花澤悠



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