ポエム
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ねぇ?君のほんとうの心を。


桜が
静かな死を
私に受け入れてくれと
ささやく

涼しい瞳の、
あの人のことが
忘れられないから
透きとおる夜明け
桜並木の下を歩く私に。

うすくて儚げな
雲の波が広がる空から
聴こえる君の泣き声は嘘で
透きとおる赤い光を
冷たいと感じるのも嘘で。

遠くの国道から
聞こえてくるエンジンの音は
日々生きてゆく世界へ
いざなう少し濁った
日常への入り口だと思った

正しい気持ちって
なんだろうと
嘘みたいな哀しい問いかけを
君にされたね
心の色が違うとは思わないから
伝わらない世界には
色はなんの意味ももたず
ただ消えるために
蒸気になる
ってそんな
ふたりの距離
まるでそこにみえる
未来の光景。

数々の棘が
君を貫いてゆくのを
ブリザード吹きつける
永久凍土の氷みたいに
君に向けて伸ばした私の腕は
固まってしまって
動けなかった
君を
みていることしかできなかった
私は
蒼ざめた涙の死を
知っていたというのに。

少しだけ
終わってくれない
想い出の桜の
花びら
ゆうるりと
散る散る
そして
いつまでも
終わってくれない
想い出の
桜の
花びら
散る
散る




桜が
静かな死を
私に受け入れてくれと
ささやくのなら

私は君のために
死にたい

そんなことで許されるはずもないのに。

私は
君のほんとうの心を抱いてみたかった

そんなこと、許されるはずもないのに。









22/04/02 05:39更新 / 花澤悠



談話室



■作者メッセージ
さっきの詩を書いて、ちょっと寝て。起きて、この詩書いて、また寝る。なにのやまいだろう?

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