仮面の告白(僕じゃなくって、ごめん、ごめんね)
なにがあった訳でもないのに、
もう、
生きていくことが嫌になることが、
あるよね。
あ、ないか?
僕だけか。
つまらない、
ほんとおに、つまらないできごとだけど、
なぜか、こころのなかが、泥になって、
ドロドロになって、
ふつうに、
こころが、濡れて、ぐしゃぐしゃになって、
あー、もうッ、
なんて、生きづらいんだ、こんな。
こんなこと、
やりたくもないし、
味わいたくもない。
もう、ほんと、
生きていくことは、
だれも、だれひとりも、
望まないよね、ただただ、嫌だよね。
え?
いっしょにするな?
なら、
なぜこんなに僕は空を飛びたいの?
のに、あなたは、飛びたくないというの?
…………好きよ。
突然、ごめんね。
好きだったの。
だから、あなたに、語りかけてみたかったの。
もう、
いいかな、って思った。
『僕』じゃなくてごめんね?
あたし、『あたし』なんだ。
おんなじ、おんなさ、あなたと。
この想いが、あなたに届く訳ないって、
わかっているから、生きていたくないんだ。
あたし、開かれる未来なんて、
見たことなかったよ。
いつも、いっつも、あたしの明日は、
飛べない猫の絶望みたいで、
さよならだけ、
あなたに告げるわ、きっと。
だれにも届かない悲しみを届かせる
必要など、あるのか。
あたしは、寂しさに、くるまれて、やるさ。
ああ、だけど、
だけどね、
あたし、こんなあたしでさえ好きになる
あなたの、優しさ、あたたかさ、
その胸にくるまれてみたくなる
慈しむ愛の表情、
奪いたい、くちびる。
そんなもの、見せつけて、
見せつけるだけ、見せつけて、
それで、親身なぬくもりで癒してくれる。
これ、惚れちゃったの、あたしのせい?
違う、と、思う。
絶対、あなたのせいだと、思うの。
てか、あなたのせい、なの!