恋の咲きかけ
夜になると思うけど
いちにちで恋をひとつ作り上げて
いちにちで恋をひとつ
棄てよう
とおもう
曜日ごとに違う匂いの夜風に
少し鉱物の硬さが加わる日なんかは
心の古いところまで洗われている
気がするほどなんです
極楽じゃ~、ってゆぶねで呟いて
だって
やることがほかにないから
しかたがないのです
ここには
こころをもつひとひとりもいないので
こころが洗われる
というこわい嘘
嬉しい
あれ?
嘘ばっか
慰めて
くれる?
じゃあ
ねぇ、それなら
あなたになら、聴こえるかなぁ?
聴こえるかもしれないです
ほら
今夜も眠れなくて
夜空を見上げると
耳元で
やさしく、ね?
《月が綺麗ですね?》
そんな美しい《セリフ》でもいい
あたたかい気持ちみたいな結晶を
ちょっと頂戴?
ダメ?