風の強い夜「ばいばい」
北極星の綺麗な夜に
あなたの優しい部屋を出る
そっと一人で
静かに
ばいばい、と
ちいさく手を振って
あなたは僕のすべてだ
僕は《あなた依存症》なんだ
そんなへんな病気みたいな「好き」
知らないけど、
ただ心も蕩けて君を求めるんだ
世界で二人きり
ってわけでもないのにね
あなたのいない世界なら
どうなってもいいとたぶん思うだろう
(ってなに愛の告白ペラペラと?)
でも、風の強い夜に
僕はこの部屋で一人で泣いた
しっかりとできなくて
からっぽの現実を受け止められなくて
それより
そうなんだ
コノ部屋ニハ、オモイデガ、痛スギテ、
悲シイ夜ニ、胸ニ、穴ガアク、ざっくり、ト
だから僕は
北斗七星を頼りに
とても孤独で美しい北極星を見つけて
あなたの優しい部屋を出る
そっと一人で
静かに
ばいばい、と
ちいさく手を振って
だれも寝ていない
懐かしい温かさのある部屋を
振り返りもせず出てゆくのだろう
ねぇ、あなた?
出てゆくのは、ねぇ、
少し空が寂しそうな
新月の夜がいいだろう?