ポエム
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天使の翼が折れた夏

ときめく希望と憧れの波が
沁み渡る街に君がいない、なら。

今日もじぶんを騙し切った
さみしくても……

……生きていられる、というのは
ただの希い、だよ。


日常のあちらがわへ

背中を向けて歩み去った

アスファルトに照り返す

陽炎立つ夏

憶えている

歩行者信号のグリーンの点滅

あのとき絶望の頂点からさえ

転がり落ちたレディコミみたいな

非日常の生活さえゴミ箱に入れちまえる

押し寄せる真っ暗な悲しみを初めて知った

ただこの夏、君がいないというだけで

それだけで、もう、


ときめく希望と憧れの波が
沁み渡る街に君がいない、のに。

長いこと嘘をついているけれど
翼が折れたのだと……


……痛い、というのは
ただの台詞だよ。






21/08/12 22:16更新 / 花澤悠



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