風と街のうた
風が幟を揺らし
コンビニの駐車場では白い子ネコがうずくまる
いつかそれが滅び去る街だったとしても
いまはまだ陽光の中にある
一番高い建物から見下ろす
カラスの瞳が濡れている
飛翔のあとを
青空に残した悲しみで
街の郊外の土道に咲く野の花は
白く小さくただ風に揺れている
風が幟を揺らし
コンビニの駐車場では白い子ネコがうずくまる
耐えられない痛みを問う瞳
風が伝わる金の稲穂はさわさわと揺れ
陽光反射する小川の上にも吹く風
耐えられない夜は痛い涙を流す
自然に抱かれているはずなのに
自然に感情がないなんて
だれが言い出した悲しみなんだろう