風だけが洗い流してくれるから
わたしがすべてを諦めたのは
生まれ育った田舎の町に帰り
よる、
小高い丘の上から
綺麗な流星を見たときだった
いま、
住んでいる
地方都市の小さなマンションは
窓さえ開けて
風さえ入れておけば
快適な生活を送ることができる
ただ、
バイパスの隣なので
車の騒音が大きい、
大きすぎる
そこで悩まされることとなる
窓を開けるべきか
二重サッシを締め切るべきか
風が入らない夜なんて
ほんとうの夜じゃないのは
知っているから
わたしがすべてを諦めたのは
生まれ育った田舎の町に帰り
よる、
小高い丘の上から
綺麗な流星を見たときだった
そのあとたった一度も
それ以上に諦めたことはない
諦めたことはないはずだ