ポエム
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風だけが洗い流してくれるから


わたしがすべてを諦めたのは
生まれ育った田舎の町に帰り
よる、
小高い丘の上から
綺麗な流星を見たときだった



いま、
住んでいる
地方都市の小さなマンションは
窓さえ開けて
風さえ入れておけば
快適な生活を送ることができる

ただ、
バイパスの隣なので
車の騒音が大きい、
大きすぎる

そこで悩まされることとなる

窓を開けるべきか
二重サッシを締め切るべきか

風が入らない夜なんて
ほんとうの夜じゃないのは
知っているから



わたしがすべてを諦めたのは
生まれ育った田舎の町に帰り
よる、
小高い丘の上から
綺麗な流星を見たときだった


そのあとたった一度も
それ以上に諦めたことはない
諦めたことはないはずだ



21/07/06 07:49更新 / 花澤悠



談話室



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