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エーッ?好きなの、好きって、言うよ?


私が詩を書くときのペンネームは、
緑川すみれ子。
なんか色いろ色が強すぎて、
けばけばしいと言う人いるんだけど、
本当に、そうかぁ?



寒波がこの国を覆っている2月、
こんなに粉雪が、舞い飛ぶ
ぎんいろの草原で、
私は初めてあなたに抱きすくめられていた。

それから、涙を拭ってくれ
大丈夫だからね、と
もう一度強く抱きしめてくれた。
私は、今度は、
その言葉に心から擦り寄ってしまい
生まれて初めて
《人が暖かい》と思ってしまい
だから、恥ずかしかったから、
絶対に泣きやもうと思っていたんだけど
生まれて初めていただいた
この爛れてしまった、もう手放せない、熱っぽい愛情のせいで、
いつまでもしゃくりあげ続けた。
いつまでたっても、泣き止むことができなかった。

そんな中、
私のケータイが鳴り出したものだから、
いそいで切ってしまい、
それでも、あなたの(小さな)胸に頬よせ、
しっぽりふたりしてずぶ濡れのままで
ただ、《時がそこにない夜》を待った。



こんな詩を書くから
ちょっとけばけばしいくらいの
ペンネームのほうが、いいと思ってた。

私が詩を書くときのペンネームは、
緑川すみれ子。
なんか色いろ色が強すぎて、
けばけばしいと言う人いるんだけど、
本当は、そういう理由なんだ。






19/04/06 21:46更新 / 花澤悠



談話室



■作者メッセージ
私の名前は、花澤悠。でも、これも、ペンネーム。
緑川すみれ子なんか、知らない。でも、あまりにも『情熱的な』詩を書いたものだから、ちょっと照れちゃった、って、そういうことかな?

そういうことです。
ケータイが鳴ったくだりは、類似体験あり。ただしらこんな《時がそこにない夜》を待つようなロマンティックなヤツじゃなかったけどね。

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