妖怪の花
鬼太郎の
髪の毛に手を伸ばし
なにが正義なのかと
すがったのは
まだねずみ男に出会う前の
むかしのあたしさ
涙、涙、涙、
涙雨がつづくのか
むかし子供だったころの正義
もう一度、妖怪にだっていい
信じさせてほしい
黒い街を生きる
ほんとうを怖がるあたしなのだが
それで死んでもいいのです
黄金のキラキラ光り輝く
砂金のような鱗粉を
わたしにふりかけて
ください
まず、あたしを見てください
そして、あたしを愛してください
それなら、あたしを殺してくださってもかまいません
今
どんな妖怪だって
いるわけないと知ったから
罪を重ねて重ねる心を穢す
そのなかでさえ、咲きたいあの夢の花を
いったい、
あたしはなんと呼べばよいのだろう?