ポエム
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妖怪の花



鬼太郎の
髪の毛に手を伸ばし
なにが正義なのかと
すがったのは
まだねずみ男に出会う前の
むかしのあたしさ


涙、涙、涙、
涙雨がつづくのか

むかし子供だったころの正義
もう一度、妖怪にだっていい
信じさせてほしい
黒い街を生きる
ほんとうを怖がるあたしなのだが


それで死んでもいいのです

黄金のキラキラ光り輝く
砂金のような鱗粉を

わたしにふりかけて
ください

まず、あたしを見てください
そして、あたしを愛してください
それなら、あたしを殺してくださってもかまいません


どんな妖怪だって
いるわけないと知ったから
罪を重ねて重ねる心を穢す
そのなかでさえ、咲きたいあの夢の花を
いったい、
あたしはなんと呼べばよいのだろう?






21/06/23 21:13更新 / 花澤悠



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