梅雨の夜のドブ川
夢を、ドブに、棄てた。
何処へも行けない、焦燥のあと。
出来ることと
出来ないことがあると、
気づいてしまったから。
心で、白い、花が、
燃やされている。
もうすぐ、全てが、終わる
預言を聴いた夜。
いつだって、夜はこの街は騒がしく
けれど朝日を浴びる姿は
どこか神々しい命さえ感じられた。
咲いた、花は、かならず、散るけれど。
この街の終わりなど、
考えられない、けれど
けれども、いつかは、終わる。
おもいわずらうことではなく、
いずれかならず起こる、滅び。
ただ、そんな、
世界、や、歴史、のことじゃなく、
夢を、ドブに、棄てた。
ことが僕を困らせる。
白い、花の、焦げ臭さが
甘い、香りを、消し去ってしまい、
これからなにを楽しみに、
暮らしてゆけばよいのか。
これからなにを頼りに、
生きてゆけばよいのか。
そんな前向きな欲望さえ、
手放してしまい、
わからなくなってしまったんだ、
ドブ川に、空き缶が流れる
梅雨の夜。