神に許されたおんな
神はわたしを、許した
悲しみが絶望に変わった夜に
透きとおる、意識もない罪が
血管を流れつづける音を聴く、春の夜
いつまでも子供のようだねって
髪を撫でてくれたのね、あなた
そのやさしさは毒のように
白く崩れ落ちる心を蝕むの、それも夜ね
絵に描かれた雪の冷たさを
その肌で知って、さ
ただ届かない歌を歌ってる、って、知ってる
あの祈りは
忘れ去られたまま
つわものどもの夢の跡のあらのに
兜のように転がっているのか?
それとも生きながら埋葬された夢の
いたいけな甘さにかこつけて
もう死んでしまっていいのかと
尋ねてしまうのか?
そしてこのわかれの歌を聴くのが、そんな
無上の、喜びだとかいうのなら、
まるで平行線のレールのようだと思う
決して理解できない、届かない
そうなの?
そんな想いもあるんだよね、辛いけど
でも、ね、
あのね、ちゃんと聴いてよ、お願い
あのね、
《神はわたしを、許した》んだから、ね?