春の陽射しが射す部屋で
それでも生きてゆくのが
《呪い》だと?
い~や、
そんなことはないはずだ。
いくら我慢を重ねる日々を
いつ終わるのかも知れぬ恐怖と不安の日々を
過ごしつづけているとしても
べっつに、そんなことは、
今だけじゃなかったよ?
べっつに、そんなことは、
今までいくらでも経験したよ?
人は、ね。
たとえば、
高度な経済の成長をしてる頃の人も
たとえばバブルの経済を味わった人も
いろんな、死にたい目に、会ってるよ、
それは、会って、いるよ。
別に、この厄災が最恐ではないし、
別に、遠くの家族と会えないことが悲しみでもない。
離れていても
通信手段はあるんだし、
離れていても
喋れるし、顔も見られるんだ。
べっつに、人類が経験した
最悪の《呪い》でもないし、
べっつに、人権も自由も剥奪された
暗黒の時代というわけでもないし。
それでも生きてゆくのが
《呪い》だと?
い~や。
と、ならば、告げよう。
日々の生活の中で
それでも楽しい時
それでも嬉しい時
それでもウキウキする時
それでもワクワクする時
それでもニヤニヤが止まらない時
それでもニコニコが止まらない時
そんな時間のために
生きたいと思ったっていいんだよ。
そんな時間を夢に見て
生きて行ってもいいんだよ。
ほんとうに
そんなちいさな時間のために
生きてゆくのが
正解なんだ、よ?
とか、生きる理由の正解とかまで
言い始めましたぜ、このバカ。
でも、バカで、いいとも、思うんだ、
ほんとうに。