ポエム
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春の陽射しが射す部屋で


それでも生きてゆくのが
《呪い》だと?

い~や、
そんなことはないはずだ。

いくら我慢を重ねる日々を
いつ終わるのかも知れぬ恐怖と不安の日々を

過ごしつづけているとしても

べっつに、そんなことは、
今だけじゃなかったよ?

べっつに、そんなことは、
今までいくらでも経験したよ?

人は、ね。

たとえば、
高度な経済の成長をしてる頃の人も
たとえばバブルの経済を味わった人も


いろんな、死にたい目に、会ってるよ、
それは、会って、いるよ。

別に、この厄災が最恐ではないし、
別に、遠くの家族と会えないことが悲しみでもない。

離れていても
通信手段はあるんだし、

離れていても
喋れるし、顔も見られるんだ。


べっつに、人類が経験した
最悪の《呪い》でもないし、

べっつに、人権も自由も剥奪された
暗黒の時代というわけでもないし。


それでも生きてゆくのが
《呪い》だと?


い~や。
と、ならば、告げよう。

日々の生活の中で
それでも楽しい時
それでも嬉しい時
それでもウキウキする時
それでもワクワクする時
それでもニヤニヤが止まらない時
それでもニコニコが止まらない時

そんな時間のために
生きたいと思ったっていいんだよ。
そんな時間を夢に見て
生きて行ってもいいんだよ。


ほんとうに
そんなちいさな時間のために
生きてゆくのが
正解なんだ、よ?


とか、生きる理由の正解とかまで
言い始めましたぜ、このバカ。

でも、バカで、いいとも、思うんだ、
ほんとうに。







21/05/04 13:44更新 / 花澤悠



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