満天の星空の下に
ときには
星の下で眠るんだと
夜露の草むらに寝転んだ君は
しばらくは
軽いいびきをかいていたが
ガマンできなくなったみたいで
ときには
恋人の膝枕で眠るんだとか
言い直して
こっちにすり寄って来たりする
「パトラッシュ(ここ、彼の名前、ね?)、
ぼくはもう疲れたんだよ」と
名作アニメの有名なセリフを下敷きに
疲れた理由を人生の不幸にして
君の願望を無下に却下してやる
私の心を洗ってくれる
たまぁ~に飛び出す飛び道具みたいな
やさしい言葉は?
そんなご褒美もなく
私の膝を貸してなんて
なんて贅沢なワガママヤローなのかしら?
春の夜空に
このコテージからは
満天の星空が見える
(あ、違う。
(いま、あなたが思い描いた満天の、の
(百倍くらいの数の星が見える満天の星空
まるで煌めく星音 (って、どんな、音?)まで
見る人に聴かせる
満天、さ
そしてあの
切るようにするどい三日月からしたたり落ちる
辛口の真水 (って、どんな水?)を
私に口移しで飲ませてくれるというのなら
ええ、どうぞ、
私の膝を
貸して差し上げても、よろしくてよ?