ポエム
[TOP]
歌の幽霊


そして
歌が流れるのでしょう

あなたたちの傷ついた心に降り積もった
砂糖のような白い血をなぐさめる
リボンに飾られたあたたかい歌の幽霊が
ゆったりとこの街をさまよい始めるのでしょう

歌は夜明けまえまで聴こえつづけることでしょう
そして

朝焼けにそまる街に
美しい破滅の訪れを予感しても
だれもそんな非情な未来は信じず
こころ奪われた歌の幽霊を追いつづけ
信じた道を歩いてゆくのでしょう?

それは美しい顔の幽霊なのでしょうか?

そしてその幽霊に出会えていない私だけが
真白な一本の道をみつけられないまま
悲しいお水を飲みつづけているのでしょう





21/04/24 10:07更新 / 花澤悠



談話室



TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c