歌の幽霊
そして
歌が流れるのでしょう
あなたたちの傷ついた心に降り積もった
砂糖のような白い血をなぐさめる
リボンに飾られたあたたかい歌の幽霊が
ゆったりとこの街をさまよい始めるのでしょう
歌は夜明けまえまで聴こえつづけることでしょう
そして
朝焼けにそまる街に
美しい破滅の訪れを予感しても
だれもそんな非情な未来は信じず
こころ奪われた歌の幽霊を追いつづけ
信じた道を歩いてゆくのでしょう?
それは美しい顔の幽霊なのでしょうか?
そしてその幽霊に出会えていない私だけが
真白な一本の道をみつけられないまま
悲しいお水を飲みつづけているのでしょう