破れた真っ赤なリボン
それなら
洗濯機でなにを綺麗にする
なにかに破れた真っ赤なリボン
ただ有料の愛を知った
あどけない詩を歌う娘は
そのこころの三日月を
足元から温めようとする
まるで優しくて悲しい詩を書く
シニカルなキリギリスみたいに
生きられない
足指の先から凍るほどの
海水の痛みに耐えかねて
無料の愛を探して
じっとうつむいて
月光に照らされ濡れた
破れた真っ赤なリボンをみつけ
家に持ち帰った娘は
それが叶えられない願いだとしった
それなら洗濯機で綺麗にしよう
せめて
なにかに破れた真っ赤なリボン