蛇はやって来て、
愛を、
止めないで。
と
宣った。

蛇はすり寄って、
愛を、
塞がないで。
と
泣きついた。

蛇は巻きついて
愛は、
城じゃない。
と
嘘をついた。

蛇は歌い出す、
愛は、
甘ったるいメロディー。
そんな蕩けさせる唄。

歌うなよ、シュガーソング
蛇のくせに。

間違ってると言いたいけど、
愛が罪なら、
命かけ、
歌う歌もある。

あるかもしれない、
だろ？

蛇は歌いつづける、
まとわりつく、
甘ったるいメロディー。
からだ蕩けさせる唄。

んなわけ、あるかッ！

そんなもん、
だから幻想だってんじゃん！


そしてこの部屋に
ひとり眠ってる寒い時間。

暗い、まどろみの果て。

もう、
まとわりつかないで。
まったく甘ったるいだけの、
恥じらいのカケラもねー、
甘ったるい、
雨音。