ポエム
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赤と白だけの世界

真っ赤な朝日、
窓から見える景色眩しくて。

むかしの大嫌いだった
牛乳を飲み干す勇気を
子どものころちゃんと
ていねいに育てていたのは
褒められたことで。

すっかり、大きくなると
好きなものしか
飲まなくなるし。

いやな飲みものを
いやといっていい自由を持つし。

それとは別に
いやなことは
病みそうになっても
やらなければならない義務
みたいな時もあるが。

だから、あの
真っ赤な朝日が照らす一瞬の
この街をみてって言われても

彼女の横顔をみてしまうんだ。

泣きそうに歪んだ
目の前の顔をみて
チョコレートをホットでいかが?
って、あたし、
ちゃんと笑っていられていますか?

そんな笑顔も作れないなんて
子どものころ
鼻をつまんででも
牛乳を飲んだ少女より

大人になれていないんじゃないか?


21/03/04 07:43更新 / 花澤悠



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