ポエム
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かすかに霞んだ、月光のように。



あゝ、それにしても生きてきて
これほど遠い場所に来るとは
思わなかったなぁ、
あたしは
たった一人で
生きてきたわけではないくせに
あたしは
たった一人で
生きてきちまったみたいに寂しいふりしてる

あゝ、それにしても、それにしても、
こんなところまで
来てしまうなんて
あのころ
想いもしなかった

なんて、
暗く、寂しい。

一人の、道だ。




凍りそうだ
凍えそうだ

けど、
ここにいるんだ

寂しいなんて
言っちゃ
ダメだ

さすらいなんて
もう終えたんだ

あとどれだけ
春を待てば

夜の街は
明るくなるのか?

叫びたくなる
衝動はある

うろたえたくなる
焦りのなかに

罪を悔いたら
なくなるのなら

あたま下げても
悔い続けるけど

悔いても届かん
罪もあるしね。

やぁやぁ、あたしはそれでも
たった二人で。

二人で君と
いきてゆくだろう。




あゝ、そうして今日も生きてゆく
どれほど遠い場所に来たとしても
あの頃の夢を手放したとしても、
あたしは
たった一人で
生きてきたわけではない、
あたしは
たった一人で
生きてきちまったみたいにふるまってるだけ

あゝ、そうして今日も明日も生きてゆく
手放した夢は忘れっちまって
こんな灰色と言うしかない日々だって
虹色の、あの頃のような光を
もう一度想い描いて

それで、
清く、美しい、

少なくとも、三年を、過ごす希を握りしめて。
あとは、野となれ山となれッ!
とか、言ってみたい、のさ。





21/01/03 18:00更新 / 花澤悠



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