かすかに霞んだ、月光のように。
一
あゝ、それにしても生きてきて
これほど遠い場所に来るとは
思わなかったなぁ、
あたしは
たった一人で
生きてきたわけではないくせに
あたしは
たった一人で
生きてきちまったみたいに寂しいふりしてる
あゝ、それにしても、それにしても、
こんなところまで
来てしまうなんて
あのころ
想いもしなかった
なんて、
暗く、寂しい。
一人の、道だ。
二
凍りそうだ
凍えそうだ
けど、
ここにいるんだ
寂しいなんて
言っちゃ
ダメだ
さすらいなんて
もう終えたんだ
あとどれだけ
春を待てば
夜の街は
明るくなるのか?
叫びたくなる
衝動はある
うろたえたくなる
焦りのなかに
罪を悔いたら
なくなるのなら
あたま下げても
悔い続けるけど
悔いても届かん
罪もあるしね。
やぁやぁ、あたしはそれでも
たった二人で。
二人で君と
いきてゆくだろう。
三
あゝ、そうして今日も生きてゆく
どれほど遠い場所に来たとしても
あの頃の夢を手放したとしても、
あたしは
たった一人で
生きてきたわけではない、
あたしは
たった一人で
生きてきちまったみたいにふるまってるだけ
あゝ、そうして今日も明日も生きてゆく
手放した夢は忘れっちまって
こんな灰色と言うしかない日々だって
虹色の、あの頃のような光を
もう一度想い描いて
それで、
清く、美しい、
少なくとも、三年を、過ごす希を握りしめて。
あとは、野となれ山となれッ!
とか、言ってみたい、のさ。