ポエム
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初冬の風景


枯れ枝を揺らす風が
猫の鳴き声のように聴こえた

昆陽池公園のそばには
電車など走っていないのに
なぜか電車の通りすぎる音がして
私の耳はどうなってしまったのか

その日は
一人で花を見に来たのに
いつのまにか夕闇の空には
宵の明星がまたたいていたりする

唇から名前がこぼれそうになって
なにかといっしょにそれは飲みこんで

あと、こらえたものがひとつある

帰りたい家もあるし
帰ろうと思えば帰れる幸せもある

生まれ変わったら
失敗せずに生きられる

というわけでもないだろ?

初冬の風景は
少し、寒い





20/12/15 05:44更新 / 花澤悠



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