泣かしてあげる
業務命令のように始まった恋
恋愛ゲームみたいで
ちょっと楽しかった
執行猶予つきの判決みたいに
モラトリアム、キッスとか
ふざけてチュッチュしてたね
あなたは露骨に嫌な顔をしたんだけど
それじゃあ2人
付き合ってないみたいじゃないのっていうと
両眼を固くつむって応えてくれていた
我慢してるかお
ちょっとはかわいかったよ
あ
りとる
全然本気じゃないから
すごく余裕を持って
好きでいられた
あいしちゃってるってことばだって
簡単だった
あなたは、どうだったの
結構一途ぽかったけど
一途の真似だったのかな
ある夜、3番街で食事をした後
ぶらぶらと淀川の土手を歩いたね
明るい満月を見上げて
頬赤らめ
涙目になりながら
月が綺麗ですねって言う
あなたの言葉を聞いたとき
恋心がざわついたのを覚えている
そして
きゅんって鳴ったんだ
あ
もう制御不能になっちゃうだろうって
予測可能な未来が見える
あの夜から
ずっとおんなじだ
からかっちゃダメだよ、もう
敏感に反応しちゃうからね
あの夜からこぼれ出す心の恋色は
あなたにバレバレで
あなたを引かせているのも知っている
でも
関係ないとも言える
だって二人
一番大事なパートナーだから
とか思ってるのは私だけ?
あのー、私、
実はですね。
もはや私自身より
あなたのことが好きなの、
大好きなの、
雨、雨、降れ、降れ。
あいあいがさ、しよー?
嫌っていうなら、泣いちゃうぞ
あ、違う
嫌っていうやつ
泣かしてあげる