こころもとない心ぶら下げて
朝、まず鏡を覗き込む
これからはじまる一日を、泳ぐ顔を作る
まとわりつく懈怠は、ぬるい風、
心に、揺れてる白辛夷(しろこぶし)、
忘れられない絶望を噛み殺し
誰かの笑い声が聴こえる、世界へつき進む
どこか、大丈夫な心はあるか?
自分自身を責める、愚かな視線は要らない
要らない、要らないと、逃げ、一日を終え、
そこに泣きそうな天使が舞い降りる
知るのは、首をかしげた天使のあどけなさ
夜は長い、細い雨が降り、銀色の髪を濡らす
疲れ果てた私に、天使は夜の賛美歌を歌う
噛んだ唇から、数滴あかい熱量が滴る
それを愛として、こころもとない子守唄として
夜、天使の顔を覗き込み
それでようやく眠れる気がしている