ポエム
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秋の夜
むかしかよった劇場の名が、思い出せない
八月が終わり、名も知らない虫がなきだしても
青い月が、湖のように濡れている
抱いてくれたらいいのに、なんて歌を口ずさむ
人形の瞳が、なにも視ていない、鏡台
「夜は人を容易に誤魔化す」鏡が曇る
神さまを睨んだむかし、サヨナラのとき
三文芝居の中の、笑える失恋のフリして
鬼の目で、泣いた、あの日
「夜はすべてを忘れた老婆になる」上手な嘘をつく
20/09/08 04:11更新 /
花澤悠
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