ポエム
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もう、思い通りにされるのはうんざりなんだ。





ちいさくふるえた愁い、
君の横顔は、それでも綺麗だ。

凍りついたささやき声、
君の希望はいまはもう、無口だ。


鈴の首が落ちる優しい音を聴くとき、
僕が足元に気をつけているのは、

ガラス玉を呑み込んだ、
イカした恋の泥棒が、
朝の四時に、
カラスにつつかれる夢をみたからだよ。

懐かしい恋の味の「火の酒」、
君もかつて飲んだだろ、僕とだよ?

忘れたというつもり?

水色の雨傘が空に溶け込むのは、
桃色のお酒を呑み過ぎた、あくる朝。


メッチャ泣ける夢のカケラ、
拾い集めても再生できないから。

松の葉が突き刺さる柔肌、
血と諦めが流れ落ちるにまかせて。

合流注意の人生の別れ道を知る。
君となら接触事故も望むところだが、

爛れた愛の儀式を知りながら、忘れ、
忘れ果てて、ただ、やさしいキスに逃げる。

わからないままに溶け込む。
水銀の滑らかな絶望を、知った罰を受ける。

そっと目を覆って、泣いていないんだと、
言い張る、
黄泉からの憧憬が聴こえるのなら、


届いて。
この手からこぼれた罪の花。
そして、
世界を覆う、夢をみさせて。


23時の雛鳥たちのオレンジの恋を、
忘れさせてくれない、想い出のセピアの香り。






20/06/12 04:44更新 / 花澤悠



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