ポエム
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貴女とあたしの間には、暗くて深い闇がある?

ねぇ、いまの
言葉をホントと思うなよ
そんなわけない、花一匁。


救いの手がある
ここがホントにありがとうと
言える部屋だ
貴女が匂いが好きだから

憧れてるのは
その傷を言葉にした詩人の貴女
あたし、けっこうまじめに
貴女になりたいのよ

ずっとまえから好きで
それも、変な《好き》だから
ガラス窓に、雫が流れ落ちるのを
日がな一日眺めてた
暇な梅雨もあった

若い頃
じぶんが大嫌いで
じぶんが生きてるのが嫌で
なんども逃げようと思ったよ


でも、あの一夜があったから
生きていられた
貴女と二人っきりで
自由なフリをして
シェラフで眠った星空の下

ただ好きすぎて
貴女にすがった
じぶんはあまり好きじゃない
ねぇ、貴女、気づいてた?
あたし、ホントは、獣、なんだ
貴女の柔らかな乳房に顔をうずめて
もう、嫌われたっていいから、って
ただ泣きたいんだよ


ねぇ、いまの
言葉はきっと忘れてね
でなきゃ死んじゃう、菊一文字。




20/08/29 19:42更新 / 花澤悠



談話室



■作者メッセージ
ぜんぜん、まったりした詩じゃないじゃない?
看板に偽りありだわよ。
それでもいいから、夜一匁。

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