洗濯を
するときは
スマホで
その日の天気予報を確認する

むかしなら、
テレビの、
ラジオの、
あるいは
新聞の、
天気予報を頼っていた

その日
干したパジャマが乾かなければ
その夜着るパジャマがなくなる
一人暮らしの冬
そんなぶしょうなことも
たま～にあったりして
天気予報には
殊更敏感になっていた

今は
ピンポイントで
ここ大阪のこの街では
３０分後にどうだろうかとか
わかるみたいな
雨雲の動きを予測する
天気予報がある

それも、スマホである

スマホは、便利である。

しかしスマホは
産毛のようなやさしい夜を
のきなみ奪い去っていった

手放しては
生活ができないのか
必要が情緒を欠落させることを
よしとするのか

もし赤い糸を見つけることさえ
やってくれるなら
すべてを奪われても
それにすべてを委ねてみてもいいかも

って、
そんな想いを
心に刻むだけの日常、

それがしあわせと呼べるのなら