生きてもいいわと、言って欲しかった。
生きてもいいわと
貴女の口から聴きたかった。
メーテルリンクの青い鳥みたいに
最後は、貴女こそが真実の愛なのだ、と、気づいて。
あの髪の毛振り乱して泣いてた
夜を忘れさせてよ?
この部屋にはハートのかたちの
氷がそこここに転がっていて、寒い。
ふたりして、ふたりとも
人ではなくなってしまったあの深夜。
やはり忘れられない、すべて晒すような、
街を揺らすような、恐怖に震えたふたり。
そして絶望の顔を貼り付かせて
お互いを罵りあったふたり。
(それも今となっては、懐かしい想い出……)
そんなわけもないけれど。
今夜、夜になって降りはじめた雪は
きっと美しく街を覆うのだろう?