それからの、雨、
けさはまだ、青い空を
みていない、夢の中
ターミナル駅へ向かう、雨
見上げても、雨
『好き』のまざった、雨
『好き』なら、棄てた、はず。
あたりまえのように、棄てた
いらないから、って、強がって
別れてもいいといったよ
別れてもいいと思ってると思ってたし
まほろばの村。
むかしがたり、
青空のした、
土ぼこりをたてて
はしゃぎ回る仔犬、
素足にまとわりついてた
そのあたたかさが、
忘れられない、なんて。
だからといって、どこへ、
ゆけばよいというのか
出てゆくまえに、
教えておいて欲しかった
コレカラ先、ドウイキルノカ、ワカラナイ
けさはまだ、青い空を
みていない、この街で
どこへゆくあてもなく
ターミナル駅に、向かう、雨
地を這って、雨
『好き』の想い出、雨
棄てたのに、降りそそぐ、雨
雨、
雨、
雨、